冷え性。アロエは家庭の救急薬として理想的な常備薬とはいえますが、残念ながら万能薬ではありません。


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 日本女性の約半数は冷え性に悩まされているといいます。手足や腰など体の一部がいつも冷たく感じられ、何ともいいようのない不快なものです。

 内臓疾患からおこるもの、体質的なものなど、原因はさまざまですが、いちばん多いのは、自律神経が乱れ、血管が不必要に収縮するために血流が悪くなっておこるものです。

 それにはアロエがぴったりです。ところが、冷え性の人のほとんどが、体力に乏しく下痢をしやすい体質なので、残念ながらアロエとの相性がよいとはいえません。しかし、量に注意し、また内用の方法を選べば、十分効果はあります。

 アロエの効き目が強くでるような用い方は避け、穏やかに作用する方法を選びましょう。それには、アロエの蜂みつ漬け、アロエ酒、アロエを煎じたものがよいでしょう。

 また、冷えた体を温めるために、アロエのホットジュースもおすすめできます。いずれも穏やかな効き方をしますが、飲みすぎないように十分注意をしましょう。
 なお、あまりにも手足が冷えてつらいという人は、アロエ汁か市販されているアロエ軟膏を患部にすり込むと、ポカポカと温かくなります。

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【 ポイント 】
アロエ酒、ホットアロエジュース、煎じたものなど、穏やかに作用する方法で。



◆◇◆ アロエの雑学豆知識 ◆◇◆

 アロエはユリ科に属する多年草で、アフリカの地中海沿岸が原産と言われています。アロエとはヘブライ語で”苦い”という意味で、その歴史は古く、紀元前から薬草として知られていました。
 アロエが薬草として使われていたという最も古い記録は、古代エジプトのミイラのひざのあいだに置かれていたパピルスです。これによるとアロエは、センナなどとならんで下剤として用いられ、また眼病にも使われた薬効のある貴重な植物としるされています。
 さらにアレキサンダー大王は、大遠征の際に負傷兵の治療にアロエを用いて効果をあげ、それをきっかけにアロエの栽培をはじめたとも言われています。
 いずれにしてもアロエが古代より薬草として使われていたことはたしかで、やがて紀元前1世紀には、ローマのディオスコリディスが『ギリシャ本草』のなかで、アロエの薬効を書きしるしています。それによると性器の病気、痔、黄疸、胃の洗浄作用、打撲、おでき、さらに目の洗浄にもなる万能薬であるとしています。
 その後、アロエの薬効はヨーロッパにも広く認められ、十二世紀にはドイツ薬局方にも収載されるようになりました。
 さて、日本にいつアロエが伝えられたのかについては、鎌倉時代とか室町時代とかいわれ、定かではありませんが、江戸時代には貝原益軒が『大和本草』のなかで、「その味苦く臭くして、気味ともにはなはだしく苦きゆえに虫を殺す」しるしています。
 当時、蘆薈(ろかい)と呼ばれたアロエは、その名から中国から伝えられたものだと言われています。中国では『開宝本草』にしるされているところから、八世紀ごろには、民間薬として普及していたと考えられます。
 日本に伝えられたアロエは、九州や伊豆、四国などの山野に自生し、地方によっては、”医者いらず”として重宝がられていました。しかし、アロエが薬用植物として広く栽培されるようになったのは戦後でした。
 現在では、各地、ことに暖地で観賞用として、また民間薬として栽培され、薬効が穏やかで副作用が少ないことから、多くの人々に愛用されています。


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