痔。アロエは家庭の救急薬として理想的な常備薬とはいえますが、残念ながら万能薬ではありません。


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 痔は、場所が場所だけに恥ずかしさが先に立ち、かなり悪化して、我慢しきれなくなって初めて病院へかけ込むというケースが多いようです。しかし、治療が遅れると治りにくいうえ慢性化してしまいます。症状の軽いうちに、アロエでぜひ治しておきたいものです。

 痔には、いぼ痔(痔核)、切れ痔(裂肛)、痔ろうがあります。いぼ痔は肛門のまわりの静脈がうっ血してできたもので、肛門の外にできる外痔核と、肛門の内側にできる内痔核とに分けられます。外痔核は痛みがあり、内痔核はさほど痛みはありませんが排便時の出血がみられます。
 切れ痔は、便秘をしたり、重い物を持ったりしていきむことで肛門の一部が切れて出血することをいいます。痔ろうは、いぼ痔や切れ痔と異なり、肛門部の化膿菌感染でおこります。
 そもそも痔は、肛門を不潔にしていたり、便秘ぎみだったりすることが原因ですから、それらを取り除くことが予防法であり、治療の第一歩でもあります。

 生食したり、しぼり汁を飲めばしだいに排便がスムーズになって痔の痛みや出血は少なくなります。軽い症状ですと、排便が楽になるだけで治ることもあります。
 さらに、アロエを外用薬として患部に塗ったり、すり込んだりすればなお効果的です。

 アロエに含まれるビタミンKの止血作用と、アロエウルシンの消炎作用の2つが作用するからです。
 ただし、外用する場合には患部を清潔にすることがポイントです。入浴や座浴で患部をよく洗い、十分あたためて血流をよくしてから塗ってください。
 まず、アロエのおろし汁を脱脂綿やガーゼに含ませ、それを患部にあてて絆創膏で固定します。ゼリー状の部分を張ってガーゼでおさえてもよいのですが、しみて痛むことがあります。生汁も同じで、効き目が強い場合には、生葉を湯通ししてからおろします。

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【 ポイント 】
<内用>
よく洗った葉を細かく刻んで生食するか、おろしたものをしぼって飲む。飲みすぎると下痢をするので注意。
<外用>
・入浴か座浴によって患部を清潔にし、血流をよくしてから、おろし汁を脱脂綿かガーゼに含ませ、患部に固定する。
・ゼリー状の部分を直接張ってガーゼでおさえる。
・しみる時には、湯通ししたものをしぼり汁に使う。



◆◇◆ アロエの雑学豆知識 ◆◇◆

 アロエはユリ科に属する多年草で、アフリカの地中海沿岸が原産と言われています。アロエとはヘブライ語で”苦い”という意味で、その歴史は古く、紀元前から薬草として知られていました。
 アロエが薬草として使われていたという最も古い記録は、古代エジプトのミイラのひざのあいだに置かれていたパピルスです。これによるとアロエは、センナなどとならんで下剤として用いられ、また眼病にも使われた薬効のある貴重な植物としるされています。
 さらにアレキサンダー大王は、大遠征の際に負傷兵の治療にアロエを用いて効果をあげ、それをきっかけにアロエの栽培をはじめたとも言われています。
 いずれにしてもアロエが古代より薬草として使われていたことはたしかで、やがて紀元前1世紀には、ローマのディオスコリディスが『ギリシャ本草』のなかで、アロエの薬効を書きしるしています。それによると性器の病気、痔、黄疸、胃の洗浄作用、打撲、おでき、さらに目の洗浄にもなる万能薬であるとしています。
 その後、アロエの薬効はヨーロッパにも広く認められ、十二世紀にはドイツ薬局方にも収載されるようになりました。
 さて、日本にいつアロエが伝えられたのかについては、鎌倉時代とか室町時代とかいわれ、定かではありませんが、江戸時代には貝原益軒が『大和本草』のなかで、「その味苦く臭くして、気味ともにはなはだしく苦きゆえに虫を殺す」しるしています。
 当時、蘆薈(ろかい)と呼ばれたアロエは、その名から中国から伝えられたものだと言われています。中国では『開宝本草』にしるされているところから、八世紀ごろには、民間薬として普及していたと考えられます。
 日本に伝えられたアロエは、九州や伊豆、四国などの山野に自生し、地方によっては、”医者いらず”として重宝がられていました。しかし、アロエが薬用植物として広く栽培されるようになったのは戦後でした。
 現在では、各地、ことに暖地で観賞用として、また民間薬として栽培され、薬効が穏やかで副作用が少ないことから、多くの人々に愛用されています。


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