打ち身、捻挫。アロエは家庭の救急薬として理想的な常備薬とはいえますが、残念ながら万能薬ではありません。


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 軽い打ち身や捻挫。たとえそのときはたいしたことはないと思っても、あとになってから痛みがでたり、内出血をおこしている場合もあるので、ほうっておいてはいけません。
 アロエは、熱をとり、炎症を鎮める作用があるので、打ち身や捻挫に対して抜群の効果を示します。まず、打ち身の場合には、冷やすことが肝心。氷や水で冷やしたあと、軽い打ち身ならアロエの葉を洗ってから切り、その切り口を患部にこすりつけるだけで、痛みやはれがとれてきます。

 少し重い場合には、アロエの切り口からゼリー状の部分を取り出し、患部に張ります。乾いたら張りなおし、これを繰り返しているうちに患部の熱いような感じがとれ、痛みもひいてはれがおさまってきます。
 打ち身の患部が広い場合は、アロエ湿布が効果的。アロエの葉をよく洗っておろし金ですりおろし、清潔なガーゼに広げて患部にあて、上から包帯を巻いてとめます。また、アロエのおろし汁と小麦粉を練り合わせ、軟膏状にしたものを患部に塗り、清潔なガーゼをあてて包帯を巻いておくのもいい方法です。この方法ですとアロエ汁が乾きにくく、効果も持続します。

 捻挫の場合も打ち身と同じ方法で手当てしますが、捻挫は安静にすることが第一。患部に添え木をあてて固定させ、湿布するときも、患部をあまり動かさないようにします。
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【 ポイント 】
打ち身は、まず冷やし、軽傷なら洗った葉の切り口を患部にこすりつける。
打ち身の患部が広い場合や捻挫をおこしたときは、ゼリー状の部分を張るか、アロエ湿布を張る。


◆◇◆ アロエの雑学豆知識 ◆◇◆

 アロエはユリ科に属する多年草で、アフリカの地中海沿岸が原産と言われています。アロエとはヘブライ語で”苦い”という意味で、その歴史は古く、紀元前から薬草として知られていました。
 アロエが薬草として使われていたという最も古い記録は、古代エジプトのミイラのひざのあいだに置かれていたパピルスです。これによるとアロエは、センナなどとならんで下剤として用いられ、また眼病にも使われた薬効のある貴重な植物としるされています。
 さらにアレキサンダー大王は、大遠征の際に負傷兵の治療にアロエを用いて効果をあげ、それをきっかけにアロエの栽培をはじめたとも言われています。
 いずれにしてもアロエが古代より薬草として使われていたことはたしかで、やがて紀元前1世紀には、ローマのディオスコリディスが『ギリシャ本草』のなかで、アロエの薬効を書きしるしています。それによると性器の病気、痔、黄疸、胃の洗浄作用、打撲、おでき、さらに目の洗浄にもなる万能薬であるとしています。
 その後、アロエの薬効はヨーロッパにも広く認められ、十二世紀にはドイツ薬局方にも収載されるようになりました。
 さて、日本にいつアロエが伝えられたのかについては、鎌倉時代とか室町時代とかいわれ、定かではありませんが、江戸時代には貝原益軒が『大和本草』のなかで、「その味苦く臭くして、気味ともにはなはだしく苦きゆえに虫を殺す」しるしています。
 当時、蘆薈(ろかい)と呼ばれたアロエは、その名から中国から伝えられたものだと言われています。中国では『開宝本草』にしるされているところから、八世紀ごろには、民間薬として普及していたと考えられます。
 日本に伝えられたアロエは、九州や伊豆、四国などの山野に自生し、地方によっては、”医者いらず”として重宝がられていました。しかし、アロエが薬用植物として広く栽培されるようになったのは戦後でした。
 現在では、各地、ことに暖地で観賞用として、また民間薬として栽培され、薬効が穏やかで副作用が少ないことから、多くの人々に愛用されています。


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